束縛 シラシス

「漸く完成しましたね。クルル少佐。」
クルルは出来上がったばかりの器具を見つめる。
マッサージチェアーのようなその安楽椅子はどんな兵士でも屈服させる拷問器具である。
視覚、聴覚、触覚、嗅覚。おおよそ人に存在する五感全てを支配し、その人物にとって最悪の状況で性的な拷問を加える機械である。
研究補助員は完成した器具を喜んでいるが、クルルは気分が沈んでいた。
クルルは拷問器具を作ることが大嫌いで、いつもならば請け負わない仕事であった。
そんなクルルが何故この器具の作成に取り掛かったのか。
数日前。クルルは唯一優秀と認めた補佐官と喧嘩した。
きっかけは些細なことであった。
いつもは気にかからない補佐官の嫌味を流すことができず、爆発した。
「てめえなんざ補佐官としてまったく役にたたねえんだよ!うざってぇから顔見せんな!!」そう叫んでラボから追い出した覚えがある。
それからというもの研究や開発に没頭し、普段なら請け負わないような仕事もこなした。
そのうちの一つがこの拷問器具の作成である。
「・・・あとは試乗だけだな。実験してから結果だけ報告しろ。」
クルルがため息をつきながら実験室から出ようとした。
しかし、数人の研究補佐員に行方を阻まれる。
「まだなんかあんのか?」
「少佐。私、いい実験体を知ってます。あなたに報告するという仕事も減りますしね・・・。」
クルルはいやな予感から、研究員から離れようと後ずさる。
しかし、いつの間にかクルルの背後にも研究補佐員が立ち、退路が絶たれた。
「な・・・何しやが・・・ッ」
リーダー格の男が指を鳴らすとクルルは押さえつけられ、安楽椅子の近くまで連れて行かれる。
「おいッ!離せ!!」
クルルは暴れるが、体格差から容易に押さえつけられた。
「御自分が作ったものは、ご自分で試されるのがいいでしょう?」
「ふざけんなッ!」
リーダー格の男が安楽椅子の起動スイッチを入れる。
クルルが安楽椅子に座らせられると、両手両足が両手はアームレストに両足は両手の上に来るように自動でロックされた。
「やめろ!離せよッ」
クルルは必死に頸と身体をねじって逃れようとするがそんな努力もむなしく、イヤフォンと眼鏡がついたヘルメットをかぶせられる。
(まずい・・・!)
クルルは首筋にちくりとした痛みを感じる。
「第1段階・・・媚薬投入開始。」
そこで周りの音が一切聞こえなくなった。
(始まりやがった・・・ッ)
クルルは身体の中を熱が暴れ始めるのを感じていた。
下半身の一点に熱が集まり、その場所を中心に熱い疼きが全身を襲う。
「・・・ッ・・・クッ・・・ぁ・・・」
両腕両足を拘束している拘束具が皮膚にこすれただけでも快感が襲う。
(第1段階が媚薬の投入。第2段階は、その人物に親しい人の投入・・・。)
クルルは快感で真っ白になっている頭をフル稼働してプログラムの順序を思い出していた。
(親しい人?誰が投入されるんだ・・・まさか)
「少佐。」
クルルにとって最悪の人物の声が耳元で聞こえる。
「クルル・・・少佐。」
「ガ・・・ルル・・・ッ」
そこには喧嘩して久しくあっていない、補佐官の姿があった。

「ク・・・ぁ・・・ッ・・・・アアアッ!!!」
安楽椅子の上でクルルの身体が跳ねる。
「クルル少佐。」
リーダー格の男がレベルを最大まで引き上げ、口角を上げて残酷な笑みを浮かべた。
クルルの小さな身体は、椅子の中で跳ね頬には涙が伝う。
「ハアッ・・・ッ・・・ンウッ」
主張し始めた小さなクルル自身からは白濁が流れるように落ちていく。
「楽しませてくださいね?」
そういって補佐官はモニターを起動した。

現実味のない、真っ白な部屋。
真っ白な家具に真っ白な床や壁。
その部屋にある色源はキイロとムラサキ。
ムラサキは真っ白な椅子に縛り付けられているキイロに近づき、ゆっくりと胸元をなで上げた。
「いい様ですな。」
「〜ッ!!」
クルルは嬌声を奥歯をかみ締めて必死にこらえると、肩で息を調えながらガルルをにらみつけた。
(落ち着け・・・これはホログラム。本物じゃねえ・・・ッ)
「・・・クルル少佐。私のことを役立たず、とおっしゃいましたな?」
ガルルの指はクルルの胸元から腹にかけてをゆっくりと撫でる。
「ク・・・ぁ・・・ッ」
クルルののどがのけぞる。
ガルルはニヤリと笑うと、媚薬によって主張し始めていたクルル自身を勢いよく握った。
「アアアッ!!」
クルルの身体が飛び跳ね、頬には生理的な涙が伝う。
ガルルはクルルの頬に唇を寄せ、涙を舐める。
「本当に役立たずかどうか・・・その身体を持って知るんだな。」
ガルルはゆっくりとクルル自身を扱きながら耳元でささやいた。
「ハアッ・・・ッ・・・ンウッ」
「こんなに零して・・・淫乱な子供だ。」
ガルルは笑いながらクルルの耳元を舐めあげる。
「ヒゥッ・・・ガル・・・やめ・・・」
「耳元が弱いようだな。」
ガルルはそういうとクルルの耳を舐め始めた。
ピチャ・・・グチャ・・・
「ィ・・・ゥゥッ・・・」
クルルは唇を噛んで快感をやりすごした。
そんな様子を横目で見ていたガルルは、クルルから急に身体を離した。
「少佐は・・・どんなプレイが好きなのかね?私は―。」
急に離れたガルルをクルルはかすんだ瞳で見つめる。
ガルルが手を横に伸ばすとギャクボールが手の中に現れた。
そして部屋の様子が変化し始める。
真っ白な部屋から灰色の拷問室のような背景に変わりバイブやローター、アナルビーズなどさまざまな性的拷問器具が所狭しと並んでいる。
「私は、気の強い子を堕ちるまで犯すのが好きでね?」
ガルルはギャグボールを両手にもってクルルに近づく。
「特にプライドが高くて、頭が良い子供が望まない、耐え切れないほどの快感を受けて自我の崩壊とともに堕ちていく様など・・・。」
クルルはガルルの顔を見て背筋に冷たい汗が流れるのを感じた。
「とても面白いと、思わないかね?」
ガルルは冷たく妖艶に嗤いながら、威圧されて拒絶することを忘れたかのようにほうけているクルルの口にギャグボールをつけた。
「無様に快感によがり狂うが良い・・・。」
耳元で響いた聞きなれた声は冷徹に冷酷に、真っ白になりつつあるクルルの頭に響いた。
「ッ!!フッ・・・ァッ」
秘部に突然差し込まれた人差し指。
クルルは突然の異物感と強烈な快感に背をしならせた。
媚薬が効いているので痛みが薄かったのが唯一の救いであった。
「少佐はココに入れられるのは初めてかね?」
「アッ・・・アァッ」
ガルルは指を内側の壁をこするようにゆっくりと出し入れする。
クルルは嬌声を抑えようとギャグボールを強く噛むが、力がうまく入らず声を抑えることができない。
「我慢することはない。」
ガルルはクルルの口角から流れ出している唾液を舐めとる。
「君に打った媚薬は、我慢すれば我慢するほど快感を増し、最終的には身体を触っただけで達してしまうという効果がついたものだ。まぁ・・・」
「ヤアァッッ!」
ガルルが舌をクルル自身に這わす。
クルルの身体が痙攣する。
「少佐のプライドが許せばの話だが・・・な。」
ガルルはクルルを追い立てるように指の出し入れを早くし、クルル自身も少し歯を立てて愛撫する。
クルルの腰が跳ね、全身の痙攣が大きくなる。
「ガ・・・!!アァーッ!!!」
クルルの身体が椅子から浮き、全身が飛び跳ねるように痙攣する。
ガルルはクルルが吐き出した精液を搾り取るように吸い上げる。
「ヒアアッ!!アッ・・・フッ・・・」
大きな叫び声をあげて、クルルがくったりと椅子にもたれる。
「まだ、これからだ。クルル。」
ガルルはクルルの耳元に唇を寄せ、優しくささやく。
ズグッ
「〜〜〜〜ッッ!!」
切り裂くような痛みと異物感にクルルの全身がこわばる。
いつの間にか抜かれたガルルの指の変わりに何倍も大きいバイブが入れられた。
「〜〜〜ッ!!〜〜ッッ!」
クルルは涙を流しながら頭を左右に振る。
ガルルは困ったようにクルルを見る。
「他の奴が良かったか?」
ガルルはゆっくりとバイブを出し入れしながら内壁をえぐる。
「もふ・・・ひゃめ・・・ッ」
快感とギャグボールでうまくしゃべれないクルルにガルルは残酷なほど優しく微笑んだ。
「もっと・・・強くですか?」
「ハア・・・ァァッ!!」
バイブレーションをオンにし、さらに内壁にこすり付けるように強く出し入れする。
バイブの無茶苦茶な動きに秘部は裂け、耐え難い痛みと快感がクルルを襲う。
「ヒャル・・・ルゥッ・・・!!」
クルルの身体が激しく痙攣し始めた。
それを見たガルルはバイブをさらに深くまで押し込む。
「我慢することはない・・・。いきなさい。」
「ッ〜〜〜!!」
クルルは2度目の性を吐き出した。
快感が抜けきる前に、ガルルはバイブを勢いよくクルルの中から抜き出した。
クルルの身体は飛び跳ね椅子の上で痙攣している。
「少佐・・・。」
ガルルが頬を伝う涙なのか唾液なのか判別できない液体を丁寧に舐め採る。
「少佐。私がほしいか?」
快感でぼんやりしているクルルの頭にガルルの声が響く。
クルルがガルルを視界に納め、口を開閉する。
「さあ・・・。言ってみろ・・・。」
ガルルがクルルのギャグボールをはずした。
「いら・・・ねえッ」
クルルは弱弱しくガルルをにらみつける。
ガルルはフフ・・・。と笑うと壮絶な笑みを浮かべた。
「そうでなくては・・・ならどこまで耐えられるか・・・試してやろう。」
ガルルはクルルに噛み付くような口付けを繰り出した。
(これは、たちの悪い夢だ・・・。)
クルルはゆっくりとまぶたを閉じた。
想像を絶する快感と絶望はまだ、始まったばかりのようである。

(佐・・・少佐・・・おきてください・・・。)
ぬるま湯を漂うようなそんな感覚。
クルルはゆっくりとまぶたを開いた。
「・・・ッ・・・ガル・・・」
「!!少佐ッ」
視界いっぱいに広がる心配そうなガルルの顔。
クルルは手を伸ばすとガルルの軍帽を掴んで、微笑みながら言葉をつぶやいた。
ガルルの表情が固まる。
「・・・クルル・・・?」
ガルルが名前を呼ぶとクルルは安心したように意識を手放した。
(ガルル・・・もっと・・・。)
ガルルは意識を手放したクルルを強く抱きしめると、甘く優しく耳元でささやいた。
「・・・アナタがいけないのですよ・・・。」
狂気じみた笑い声と言葉は、室内に静かに消えていった。

初投稿です。
初めて鬼畜なガルクルを書きました。
と、いっても、本番まで行っていませんが・・・。
楽しんでいただけたら、と思っています・・・。
乱文失礼いたしました。
・半端ない鬼畜をありがとうございましたーーーー!!!いやもうこのどこまでも追い詰める兄が堪りません!!

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